「組織」のことについて、組織の中で【対話】することはあまりありません。
対話 ・・・・ [名](スル)向かい合って話し合うこと。また、その話。
会話 ・・・・ [名](スル)複数の人が互いに話すこと。また、その話。
組織の中で「会話」することは多いのですが、【対話】することは案外少ないものです。日常はいつも慌しく、職場では容赦なく「業務」に追いかけられているので、【対話】に至らず、「会話」で終わる。別にそれで構わないのですが、会話にはこんな性質があります。
会話は話題の伝達を目的とせずに、話すことで共通の価値観を共有したり、共通の時間を分かち合ったりすることに着眼点があるものである。
困ったことに、「会話」には、話題の伝達を目的していない、という性質があるのです。つまり「軽い」。
そうなると、「組織の将来」とか「組織の課題」などという重要な要件について語り合うのは、「会話」ではなく【対話】ということになります。つまり「向かい合って(背筋を伸ばして)」話し合う。そこから、「会社を思う気持ちが【対等】であること」や時に意見の違いから【対立】が生まれる。職位に関わらず【対等】であったりテーマによって【対立】をすることは、組織における【本音】です。本当の「気付き」や「同意」や「理解」は、そうした【本音】のぶつかり合いというプロセスからしか生まれず、一番大切な「納得」なども、そこからしか生まれません。
当たり前のことですが「伸びている組織」には【対話】があり、「伸び損ねている組織」には「会話」しかありません。
「伸び損ねている組織」は、いつも、どこかで「深刻な対立」を怖れ、課題の先送りに汲々として、波風が立つことを恐れる。誰かが【本音】を言い出すことを嫌がり、そうした気配が見えると、するりと「会話」で逃げ、時に笑いでごまかす・・・・。何やら、どこかの「国」の大臣や国会議員のようなことを繰り返す・・・・。
先週の、土曜から日曜にかけて、ある企業の「宿泊経営計画」にパートナーのF君と出かけてきました。会計の専門家として、長崎の「岩永会計グループ」IGブレーンの野口社長と若手のY君も参加して、4人がオブザーバーです。
2日間あるので、「時間」を気にする必要はない。おまけに「閉ざされた空間」なので、邪魔は入らない。そこで、経営者と幹部と若手の社員が、「単年度の経営計画」を立てるのです。
面白いことに、最初はジャブの応酬のような軽い「会話」が続くのですが、そのうちにそれが【対話】に変わって行く。時に経営者の言葉に反論が起き、幹部の言葉に誰かが噛み付き、少々冷静さを欠いた言葉が経営者の口から漏れ始める。言い訳が少なくなり、「課題」の本質に近づき始め、飛び交う言葉が鋭さを増す。思いつきやアイディアがY君の手によってすぐさま「数値化」され、時に全員が言葉を失い、時に全員の目が輝く。
少々「多額の不足売上金額」に思わずへこんだ瞬間。野口社長が電卓を取り上げ、その金額を「年間稼動日数」で割り、一日あたりの金額に直した時に、何人かが頷き、Y君が「顧客数」で割ったとき、幹部から「商品名やサービス」が出てきて【対話】が続く。
土曜日の朝10時から、日曜日の夕方まで、真剣な【対話】の中から出てきたものは、紛れもなく、その組織がこの一年間追い求めなければならないものの「姿」でした。
6月の雨の中、福岡へ帰る車の中で、パートナーのF君と「組織にとって必要なプロセス」について話し込みました。
5S活動から全社の動きが始まり、限界利益管理から組織のコミュニケーションが取れ始め、組織が「成長」をすると、こうした「場」を与えただけで、組織は自ら【対話】を始める。無論、世間に吹いている風は「逆風」なのだが、その「逆風」に耐えうるだけの核となる「要素」は固まったのではないか。
週末、とても充実した時間を組織と共有させてもらいました。
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